タグ別アーカイブ: PM

(ロ) 情報が足りないなら聞けばいい

情報が足りないことによるものだったら、情報を聞き出したらよいです。何のことかわからない場合、判断するのに必要な情報がない場合、質問をして聞き出せばよいです。
「この案件受注すべきでしょうか?」という判断を迫られた場合、
「どういう案件なの?」「売り上げ利益は」「客先の性質は?」「リスクは?」「今後の発展は?」「この市場でのビジネスプランはどうなっているか?」
自分が判断するのに何が足りないだろうか?何があったら判断できるだろうか?と考えて、今の知識では判断できなくても聞いたらよいです。

ここは開き直りです

できもしないことをする必要はまったくありません。「わからないんだから情報もってこい」です。

当然部下も「その点についてはわかりません」というかもしれません。その場合は、わかっているところ、わからないところ、調べればわかるところ、に分けて整理します。

不確定な情報があったとしても、リスクとして評価可能であれば、判断に「危なさ」として評価し、先を続けます。

判断に当たって、その中核となる情報が手に入らず、リスクとして評価不可能な場合は判断すべきではありません。
リスク評価もできない部分につき、情報入手できない状況ならNGとするしかありません。危険が大きすぎるからです。

リスク評価(たとえば最悪○○億円の赤字)できるなら、「わからないから危険だけど、最悪、○○億円の赤字になるが、その程度なら△△でリカバーできる!だからOKとする!」あるいは「発生確率がそんなに大きくないから原価に○○億円の1/10を足して見積もりは●●億円でOK」などと判断します。

リスク評価できなければNGにするか、自分で判断せずに、集団の判断にもっていくか、上司の判断にゆだねます。

(ク) リスク管理(1/2)

チームリーダのところで述べた内容と重複します。チームリーダとしてはリスクを洗い出して報告し、対策を実施することが役割でしたが、プロジェクトマネージャとしては、すべてにおいてリスクに「片を付ける」ことが必要になります。

リスクとはこの場合、「発生するかしないかはその時点で不確定な事象で、計画または予測に与える可能性と影響」とします。

リスクが発生するとわかった時点でリスクではなく課題とか問題とか計画変更になります。リスクは顕在化してしまえば、あるいは顕在化が確実となった場合はそれに対して対処をするしかなく、淡々と解決を行えばよいと思います。
事前にわかっているリスクと、わからなかったリスクに分かれると思いますが、両方とも発現することを前提にマネージメントする必要があります。

リスク管理はこの発生が不明確な事象に対しての管理となります。「起こるかわからないんだから発生してからでいいじゃないか」という考え方もあろうかと思いますが、リスクは発生をコントロールできる場合があります。リスクの大きさは「可能性」「影響」で測れますが、「影響」が小さければ「可能性」が高くても「許容」するという対処ができます。一方「影響」が大きいならば「可能性」をコントロールして「発現可能性」部分を少なくしてリスクを「回避」する方法もあります。「影響」部分を小さくしてリスクを「低減」する対策もあります。
そして、考え方が簡単なのでもっとも使われているであろうものがリスクの発生をお金で解決するという「転嫁」です。
(見積もりは簡単ではありませんが・・・)

この許容」「回避」「低減」そして「転嫁をうまく使ってコントロールすることをリスク管理といいます。

リスクファイナンスについて次回

潰れて行くマネージャーその1 【能力不足昇進】

こころを病んだりして潰れて行くマネージャは多いと思います。

いろんなパターンがるとおもいますが、今回は能力不足が原因でつぶれるパターンです。

技術を中心にやってきてプログラミングが得意で技術的にはお客様の信頼も厚く、業務も理解しています。
農業科学分野でIT化という観点でそうそうある業界ではないため、ほとんど専門家の領域です。

「ここは彼の能力に期待して管理職であるマネージャー(課長)にしてがんばってもらおう!」と思ってマネージャにしました。

管理職になってその農業科学分野だけでなく広く研究所を顧客として扱っているプロジェクトを見る必要が出てきます。
なれない分野も戸惑いながらも何とかやっているように見えました。

ところが、しばらくすると会社を休みがちになり、とうとう出勤できなくなってしまったのです

何が起こったのでしょうか?

面談をすると、こんなことをいいます。
「物事が決められなくなってしまって、これじゃだめだと思って、一生懸命やろうと思うのですが、頭が回らないのです。
自分でも甘えだと思うのですが、どうしてもうまくいきません。」

管理職としていろいろな判断をしなくてはならないのだが、どう判断していい川からない中で、下から「どうしましょう?」「どうしたいいですか」「方針を示してください。」としたこともない判断を迫られます。

今までは自分の得意分野で、研究開発の支援を仕事として信頼できる仲間とやってきています。いきなり、知らない分野(物理等)で、性格もわからない部下やお客様と話をして社としての方針を決めなければなりません。ITを使った研究だと生物系は少なく、工学・理学・物理系が多いです。
科学の専門用語の多い分野ですから畑が違うとはっきりいってお客様と部下が話している内容も理解できません。「まさかお客さまに何を言っているか聞くわけにもいかず・・・」と悩んでいるうちに体が動かなくなっていったそうです。

かく言う私も、管理職になりたてのころというか、いきなり管理職採用であったため、新しい会社で課長です。
管理職になると専門だけでなく、人事管理、業績管理、PJ管理等いろいろやらされます。
もともと人事関係を専門としようとしていたため人事管理は問題なかったのですが、部下からのディシジョン要求には参りました。業界をまたがった転職であったために、業界の常識や慣習がわかりません。幸いなことに相談できるほかの管理職の方が複数いてくれたため、ある程度は問題なかったのですがやはり細かい判断で迷うところもあり、自分には向かないのかと悩む場面もありました。そんなこともあり、方法として「意思決定」の項目を詳細に書かせていただきました。

意思決定
① 意思決定ができないことで悩んでないか
  (イ)丁半博打で決めるのはNGです
(ロ)情報が足りないなら聞けばいい
  (ハ) コーチングのふりをして聞き出す
  (ニ)利益衡量をする
  (ホ)何等か自分が納得のいく理由をつける
② 腹をくくれ
③ 自分で手におえないと判断したら

例によって、まだ書いていないところもありますが気長にお待ちを・・・

※全体を通じて分野や起こったこと等実際の例を書いているわけではありません。

③ 自分で手におえないと判断したら

上司(ほかの人の判断)に回す
これも立派な判断です。仕事には権限があり、権限を越える影響が予想される場合、上の人に判断を仰ぐ必要があります。
これは、自分でわかるから判断を仰がなくてもよいというのではなく、自分がこうすべきであるという明確なものがあったとしても、権限を越える判断や、権限を越える影響のある判断はすべきでありません。こういう場合は必ず上位の管理者に判断を仰ぎます。

自分がどのような権限を持っているのかは明確に理解する必要がありますが、権限を越える影響があるかは、あいまいです。これは組織として基準があればよいのですが、なければ、自分でその基準を決めておく必要があります。
金額でもよいでしょうし、事象でもいいかもしれません、自分のチーム外に影響がある場合ときめてもよいでしょう。

上司からは、「あいつは自分で判断できない」とおもわせないものを相談するようにします。それが、「権限を越える」です。自分の権限内の事柄は、勇気を持って判断しましょう。
権限内のことでも困って上司に相談することはあってもいいと思いますが、あくまでもその場合は、「上司に相談して自分で判断する」です。

当たり前ですが偉くなっても「レポートツー」への報告義務は果たしてくださいね。

②腹をくくれ

何か判断するためには、未来を予測する必要があります。何が起こるかわからない中で判断するのですから、「本当にこれでよかったのか」、「何か起こったらどうなるのだろうか」と悩みは尽きない物です。それを考え始めると、自分では何にも判断できなくなります。
それでも判断を先延ばしにはできませんから、何等かの方法ではらのくくれる判断をしてください。

(イ) 守りに入るな、怖がるな
守りに入って、いつまでも判断しない。あいまいにする、なし崩しで進める。こういう風になる人もいます。こういう人はそもそも管理職に向かないという話もありますが、とはいえ、自分だけではありません、悩む人は多いです。
「人を傷つけるかもしれない」「納得が得られず、うまくいかないもしれない」「どう思われているんだろう」などなど。

とりあえず、バランスをとるように考慮はしますが、捨てなければならない物は捨てるべきです。課なら寿司も納得を得られる判断ばかりができるわけではありません。
時には、要員が反対している内容の判断をする必要がある場合があります。勇気を持って判断しましょう。

納得がいかない要員がいたら、できる限り説明しましょう。最終的に納得が得られないかもしれません、でも要員に説明をして自分の考えを納得されなかったとしても、理解してもらうことは重要です。

(ホ)何等か自分が納得のいく理由をつける

とにかく何でもよいです、自分が納得のいく理由をくっつけて判断してください。重要なのは「自分が納得」です。判断においては上記の様ないろいろな情報を追加してもらったり技を使って判断しますが、自分が「それでいいんだ」と納得することが重要です。納得もぜずに判断することは、丁半博打と何ら変わりがありません。
納得するということは説明できるということ、なぜ、そのような判断をしたか?「過去に似たようなことがあってこの判断で成功した」、あるいは「失敗した」でもよいと思います。何らかの理由をもって判断するようにしましょう。

これらで、要員が答えられない不明な条件があった場合は、前提条件を付けて判断する手があります。判断において、前提条件であることは明確に示してください。コラム: 怒りポイントを参照

本当にある話、判断しなくてはならないのに、どうしても脳みそが考えることを拒否する場合があろうかと思います。頑張りすぎる必要はありません。その場合は自分を見つめなおして、ひょっとしてストレス性の障害が出ていないか振り返る必要があるかもしれません。場合によってはまず医者に相談するとよいでしょう、ただ薬を処方する精神内科ではなく、カウンセリングもしてくれるところがいいかもしれません。

無理は禁物です。

(ニ)利益衡量をする

両方の意見が拮抗していて何とも迷う場合。二者のうち一者の意見をとる必要がある場合。

自己他人含めた利益を天秤にかけて、どちらかより良い方に判断する方法があります。どちらもいいんだけどどっちかにしなければならない場合です。結果も大差ないとわかっている場合でも、双方に利害関係者がいるわけで何らかの納得を得る必要がありますから、根拠をもった判断をする必要があります。(接待金額が高かったからなどというのはやめてくださいね)

「犬と猫どっちを飼う」犬を飼う利点は「散歩することで健康になる、人のいうことを聞く、番犬等役に立つことがある」猫の利点「かわいい、ほっておいても大丈夫、家の中だけで飼える、猫が好きだ」3対4で猫を飼うことに決定というようなのでもよいです。みんなに出してもらってもよいかもしれませんね。

何等か見える理由があると周りの納得も得られやすいです。

(ハ) コーチングのふりをして聞き出す

実は判断に困っているが、困っていない風を装って、「君の成長のためだ、考えて御覧」的な感じで考えさせて、その意見に乗っかる手があります。

コーチングの技術を使って「傾聴」します。その中でその人の考えていることを聞き出して自分の判断の助けにする方法があります。実は、判断を持ってくる人は自分の中でこの方法がベストだと思っていることも多いです。

本人がわかっていなくてもそうかもしれません。そういうものを聞き出して、判断することもできると思います。
ただし、他人の判断に乗っかることになりますから、自分自身が納得いくかが重要になります。

つまり、「こうしたい」と思っている人の提案を受け入れるかは、まず、「本人がやりたがっているからできればやらせてあげたい」というところから始めるならば、それを実行すると問題が起きるか?計画等に若干問題があっても許容できるか?という指標で、「やりたいと思っているなら多少難があってもやらせてみよう」という観点でよいと思います。その場合、見えている問題点があるならそれを指摘し、どのように対処するつもりであるのかヒアリングして、計画に盛り込んでもらうようにすればよいでしょう。

(イ)丁半博打で決めるのはNGです

(イ) 丁半博打で決めるのはNGです
その時の気分で判断したり、「えーい面倒だこっちだ!!」絶対にしてはいけません。これをするということはそもそも自分の存在意義を否定していることになります。さいころをおいて帰ってもよいことになってしまいます。何らかの自分の判断を示す必要があります。
どうやるか。

(ロ) 情報が足りないなら聞けばいい
情報が足りないことによるものだったら、情報を聞き出したらよいです。何のことかわからない場合、判断するのに必要な情報がない場合、質問をして聞き出せばよいです。
「この案件受注すべきでしょうか?」という判断を迫られた場合、
「どういう案件なの?」「売り上げ利益は」「客先の性質は?」「リスクは?」「今後の発展は?」「この市場でのビジネスプランはどうなっているか?」

などなど、知らないことがあるなら聞き出せばよいです。一度聞いたことを何度も聞いては業務の妨げになりますから、資料としてもらって、きちんとまとめておくことが必要ですが、判断に必要な情報は出してもらいます。

情報がない場合もありますが、無いこと自体も情報です。判断するための情報がない場合はリスクが高いことになりますから、泣く泣くNGの判断をすることも多いでしょう。

①意思決定ができないことで悩んでないか

中間管理職の悩みがあります。
下からは「どうしたらいいんですか?」上からは「どうなっているんだ!どうするんだ!」時には「意思決定はどうなっているんだ!」と突き上げられることがあります。
でも、判断できないことも多いです。どうしていいかわからないから「こうしなさい」といえない、悩ましいです。

なぜ意思決定できないのでしょうか?
その事柄に詳しくないためどうしたらどうなるかがわからない。選択肢のデメリットを考えるとどちらがいいとは言えない。一生懸命考えようとしても頭が働かない。そもそも、何をしたらいいかも選択肢が思いつかない。解決すべき課題に対する問題点がそもそもわからない。
どれもよくあります。意思決定できる?人からは、管理者が悩んでいても「何でこんなことで悩んでいるんだ?さっさとすればいいのに」みたいに言われます。これもプレッシャーになります。(だってどうしたらいいかわからないんだもん)
非常に気持ちはわかるのですが、何等か行わないと、この事態から脱却できません。

(イ) 丁半博打で決めるのはNGです
(ロ) 情報が足りないなら聞けばいい
(ハ) コーチングのふりをして聞き出す
(ニ) 利益衡量をする
(ホ) 何等か自分が納得のいく理由をつける