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③ 自分で手におえないと判断したら

上司(ほかの人の判断)に回す
これも立派な判断です。仕事には権限があり、権限を越える影響が予想される場合、上の人に判断を仰ぐ必要があります。
これは、自分でわかるから判断を仰がなくてもよいというのではなく、自分がこうすべきであるという明確なものがあったとしても、権限を越える判断や、権限を越える影響のある判断はすべきでありません。こういう場合は必ず上位の管理者に判断を仰ぎます。

自分がどのような権限を持っているのかは明確に理解する必要がありますが、権限を越える影響があるかは、あいまいです。これは組織として基準があればよいのですが、なければ、自分でその基準を決めておく必要があります。
金額でもよいでしょうし、事象でもいいかもしれません、自分のチーム外に影響がある場合ときめてもよいでしょう。

上司からは、「あいつは自分で判断できない」とおもわせないものを相談するようにします。それが、「権限を越える」です。自分の権限内の事柄は、勇気を持って判断しましょう。
権限内のことでも困って上司に相談することはあってもいいと思いますが、あくまでもその場合は、「上司に相談して自分で判断する」です。

当たり前ですが偉くなっても「レポートツー」への報告義務は果たしてくださいね。

②腹をくくれ

何か判断するためには、未来を予測する必要があります。何が起こるかわからない中で判断するのですから、「本当にこれでよかったのか」、「何か起こったらどうなるのだろうか」と悩みは尽きない物です。それを考え始めると、自分では何にも判断できなくなります。
それでも判断を先延ばしにはできませんから、何等かの方法ではらのくくれる判断をしてください。

(イ) 守りに入るな、怖がるな
守りに入って、いつまでも判断しない。あいまいにする、なし崩しで進める。こういう風になる人もいます。こういう人はそもそも管理職に向かないという話もありますが、とはいえ、自分だけではありません、悩む人は多いです。
「人を傷つけるかもしれない」「納得が得られず、うまくいかないもしれない」「どう思われているんだろう」などなど。

とりあえず、バランスをとるように考慮はしますが、捨てなければならない物は捨てるべきです。課なら寿司も納得を得られる判断ばかりができるわけではありません。
時には、要員が反対している内容の判断をする必要がある場合があります。勇気を持って判断しましょう。

納得がいかない要員がいたら、できる限り説明しましょう。最終的に納得が得られないかもしれません、でも要員に説明をして自分の考えを納得されなかったとしても、理解してもらうことは重要です。

(ホ)何等か自分が納得のいく理由をつける

とにかく何でもよいです、自分が納得のいく理由をくっつけて判断してください。重要なのは「自分が納得」です。判断においては上記の様ないろいろな情報を追加してもらったり技を使って判断しますが、自分が「それでいいんだ」と納得することが重要です。納得もぜずに判断することは、丁半博打と何ら変わりがありません。
納得するということは説明できるということ、なぜ、そのような判断をしたか?「過去に似たようなことがあってこの判断で成功した」、あるいは「失敗した」でもよいと思います。何らかの理由をもって判断するようにしましょう。

これらで、要員が答えられない不明な条件があった場合は、前提条件を付けて判断する手があります。判断において、前提条件であることは明確に示してください。コラム: 怒りポイントを参照

本当にある話、判断しなくてはならないのに、どうしても脳みそが考えることを拒否する場合があろうかと思います。頑張りすぎる必要はありません。その場合は自分を見つめなおして、ひょっとしてストレス性の障害が出ていないか振り返る必要があるかもしれません。場合によってはまず医者に相談するとよいでしょう、ただ薬を処方する精神内科ではなく、カウンセリングもしてくれるところがいいかもしれません。

無理は禁物です。

(ニ)利益衡量をする

両方の意見が拮抗していて何とも迷う場合。二者のうち一者の意見をとる必要がある場合。

自己他人含めた利益を天秤にかけて、どちらかより良い方に判断する方法があります。どちらもいいんだけどどっちかにしなければならない場合です。結果も大差ないとわかっている場合でも、双方に利害関係者がいるわけで何らかの納得を得る必要がありますから、根拠をもった判断をする必要があります。(接待金額が高かったからなどというのはやめてくださいね)

「犬と猫どっちを飼う」犬を飼う利点は「散歩することで健康になる、人のいうことを聞く、番犬等役に立つことがある」猫の利点「かわいい、ほっておいても大丈夫、家の中だけで飼える、猫が好きだ」3対4で猫を飼うことに決定というようなのでもよいです。みんなに出してもらってもよいかもしれませんね。

何等か見える理由があると周りの納得も得られやすいです。

(ハ) コーチングのふりをして聞き出す

実は判断に困っているが、困っていない風を装って、「君の成長のためだ、考えて御覧」的な感じで考えさせて、その意見に乗っかる手があります。

コーチングの技術を使って「傾聴」します。その中でその人の考えていることを聞き出して自分の判断の助けにする方法があります。実は、判断を持ってくる人は自分の中でこの方法がベストだと思っていることも多いです。

本人がわかっていなくてもそうかもしれません。そういうものを聞き出して、判断することもできると思います。
ただし、他人の判断に乗っかることになりますから、自分自身が納得いくかが重要になります。

つまり、「こうしたい」と思っている人の提案を受け入れるかは、まず、「本人がやりたがっているからできればやらせてあげたい」というところから始めるならば、それを実行すると問題が起きるか?計画等に若干問題があっても許容できるか?という指標で、「やりたいと思っているなら多少難があってもやらせてみよう」という観点でよいと思います。その場合、見えている問題点があるならそれを指摘し、どのように対処するつもりであるのかヒアリングして、計画に盛り込んでもらうようにすればよいでしょう。

(イ)丁半博打で決めるのはNGです

(イ) 丁半博打で決めるのはNGです
その時の気分で判断したり、「えーい面倒だこっちだ!!」絶対にしてはいけません。これをするということはそもそも自分の存在意義を否定していることになります。さいころをおいて帰ってもよいことになってしまいます。何らかの自分の判断を示す必要があります。
どうやるか。

(ロ) 情報が足りないなら聞けばいい
情報が足りないことによるものだったら、情報を聞き出したらよいです。何のことかわからない場合、判断するのに必要な情報がない場合、質問をして聞き出せばよいです。
「この案件受注すべきでしょうか?」という判断を迫られた場合、
「どういう案件なの?」「売り上げ利益は」「客先の性質は?」「リスクは?」「今後の発展は?」「この市場でのビジネスプランはどうなっているか?」

などなど、知らないことがあるなら聞き出せばよいです。一度聞いたことを何度も聞いては業務の妨げになりますから、資料としてもらって、きちんとまとめておくことが必要ですが、判断に必要な情報は出してもらいます。

情報がない場合もありますが、無いこと自体も情報です。判断するための情報がない場合はリスクが高いことになりますから、泣く泣くNGの判断をすることも多いでしょう。

①意思決定ができないことで悩んでないか

中間管理職の悩みがあります。
下からは「どうしたらいいんですか?」上からは「どうなっているんだ!どうするんだ!」時には「意思決定はどうなっているんだ!」と突き上げられることがあります。
でも、判断できないことも多いです。どうしていいかわからないから「こうしなさい」といえない、悩ましいです。

なぜ意思決定できないのでしょうか?
その事柄に詳しくないためどうしたらどうなるかがわからない。選択肢のデメリットを考えるとどちらがいいとは言えない。一生懸命考えようとしても頭が働かない。そもそも、何をしたらいいかも選択肢が思いつかない。解決すべき課題に対する問題点がそもそもわからない。
どれもよくあります。意思決定できる?人からは、管理者が悩んでいても「何でこんなことで悩んでいるんだ?さっさとすればいいのに」みたいに言われます。これもプレッシャーになります。(だってどうしたらいいかわからないんだもん)
非常に気持ちはわかるのですが、何等か行わないと、この事態から脱却できません。

(イ) 丁半博打で決めるのはNGです
(ロ) 情報が足りないなら聞けばいい
(ハ) コーチングのふりをして聞き出す
(ニ) 利益衡量をする
(ホ) 何等か自分が納得のいく理由をつける

(キ) 意思決定

管理職になりたてのとき、結構どうしていいかわからなかったりしました。

できる人は悩まないのでしょうが、意思決定はなかなかにストレスのかかる作業です。この決定が複数の人たちやPJを左右するからです。リーダーシップ研修などでは「これをすることがリーダーシップだ!」という感じでぐいぐい引っ張っていくことを無条件に要求しますが、では何が正しいのか?どう判断したら正解なのか誰も教えてくれません。「かっこいいのはズバリ判断することだ」といわれても困ります。

そんなに経験があるわけでもないのに、重要な判断について、「どうしたらいいか?」「どうするのか」「方針は?」など始終あらゆる人から詰められてしまいます。

私が実践してきた方法を紹介します。

① 意思決定ができないことで悩んでないか
② 腹をくくれ
③ 自分で手におえないと判断したら

(ウ) 原理原則(決められたプロセスを実施する)

原理原則を守ることは重要です。ここでいう原則はプロジェクトマネージメントにおける当たり前にやらなければならないことです。プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK)等に書かれている事柄はすごく大仰なことが書かれています、真面目にやろうとしてもできそうにありません。
無視してなし崩し的にPJを進めていく、というのも方法としてはあります。
能力のあるPMが小規模PJにおいて、すべての人に自分自身で指示を出してすべてを把握している場合は、好きに自分のやり方で進めるのもいいでしょう。

PJが大きくなった場合、規模が小さくてもPMがスーパーマンでない場合はその方法は絶対にダメです。
一例をあげると小規模開発者から、上がっていった人にありがちですが、PJ推進において必要な、プロジェクト計画書の作成、プロジェクトキックオフの実施、規定類の整備などを軽視して、不要なものと判断して、作らないことがあります。
これはよくありません。要員が自分の手足ならばよいですが、少なくとも自律的に動くことを期待するならば、PJが行く先を共有することは必須です。
PJ計画書というと大げさですが、中身は何かというと、いろいろありますがおもなものは、PJがどんなものかの「概要」、何のためにやるかの「目的」、いつまでにどのやり方でどの順番でやるのかの「スケジュール」、だれが何をやるか誰と絡めばいいかの「体制」、どこで何をつかってやるかの「環境」や、推進するための会議をどうするかの「コミュニケーション計画」。などが書かれたもので、各機能を持った人が集まってできるのがPJだとするならば、あらかじめ伝えておかなければならないことが書かれたものなのです。
「プロジェクト計画書」などとかっこいい冊子になっていなくても場合によっては紙一枚でも構わないのです。実はいらないと言っている人も作っているか、ばらばらでも作る羽目になっていることでしょう。

案件によっては調達仕様書に必要事項が書かれている場合や、客先PMOから求められる場合があります。

このようなPJ計画書に限らず、PJ推進プロセスにおいて必要とされていることは実態としても必要で組織にPJ推進に関するガイドライン等が設定されているならば、その存在意義、意図を踏まえて実効的に実施すべきでしょう。(形だけ意味のないものを作るなら時間の無駄なので)
ちなみに、物事の存在意義、意図を読み取り、理解する力も能力として必須です。(斜に構えるだけでは何にもならないという意味ですね)

形だけの作業を省く件については、きちんと本来的な意味を理解して、その作業の存在した理由を理解し、それがほかの方法で担保されているときに限り省くことが可能であろうと考えます。
くれぐれも勝手に無駄と聞けつけてやるべきことをやらないことはしないでください。

(イ) 強い意志

これは頑固であれという意味ではありません。強い意志とはやりきる意思といってもいいかもしれません。

途中で投げ出さない、へこたれないということです

一度決めたら曲げないということもありますが、曲げないのは基本方針「やりきる」というところにすべきで、方法に関しては、「やりきるために」柔軟に変えながら進めていくべきです。(「改善)、「イノベーション)ともいう)
実行レベルに近い決定事項を守り、状況を無視してかたくなにやり続けると、組織がおかしくなってしまうこともままありますので、「やりきる」ことを重視し、「そのためには何でもする」という強い意志が必要です。

プロジェクトには絶対に何らかのトラブルが発生します。発生しない物はありません。キーマンの病気や事故といったどうにもならないと思えるような外的要因が発生するかもしれません。突然の無理な仕様変更要求が来るかもしれません。虚偽報告によるサービスイン前の受入試験での実はプログラムが何もできていない事件が発生するかもしれません。

その時にくじけることなくやりきる能力が一番最初に、絶対に必要なのです。