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(ロ) 情報が足りないなら聞けばいい

情報が足りないことによるものだったら、情報を聞き出したらよいです。何のことかわからない場合、判断するのに必要な情報がない場合、質問をして聞き出せばよいです。
「この案件受注すべきでしょうか?」という判断を迫られた場合、
「どういう案件なの?」「売り上げ利益は」「客先の性質は?」「リスクは?」「今後の発展は?」「この市場でのビジネスプランはどうなっているか?」
自分が判断するのに何が足りないだろうか?何があったら判断できるだろうか?と考えて、今の知識では判断できなくても聞いたらよいです。

ここは開き直りです

できもしないことをする必要はまったくありません。「わからないんだから情報もってこい」です。

当然部下も「その点についてはわかりません」というかもしれません。その場合は、わかっているところ、わからないところ、調べればわかるところ、に分けて整理します。

不確定な情報があったとしても、リスクとして評価可能であれば、判断に「危なさ」として評価し、先を続けます。

判断に当たって、その中核となる情報が手に入らず、リスクとして評価不可能な場合は判断すべきではありません。
リスク評価もできない部分につき、情報入手できない状況ならNGとするしかありません。危険が大きすぎるからです。

リスク評価(たとえば最悪○○億円の赤字)できるなら、「わからないから危険だけど、最悪、○○億円の赤字になるが、その程度なら△△でリカバーできる!だからOKとする!」あるいは「発生確率がそんなに大きくないから原価に○○億円の1/10を足して見積もりは●●億円でOK」などと判断します。

リスク評価できなければNGにするか、自分で判断せずに、集団の判断にもっていくか、上司の判断にゆだねます。

コラム:怒りポイント

人それぞれ怒りポイントというものがあります。
上司のそれを押さえて触れないようにするのがサラリーマンの技術ですが、皆さんはどうですか?

わたしも上司のポイントを押さえられているのでしょうか?
私の怒りポイントは・・・
考えてみるに私の場合は騙されたときでしょうか?

例えば、何か見解を求められたとき、前提条件付きでOK出したりします。
この前提条件が無視されたときが怒りポイントです。
前提条件は無視してよいものではなく、前提なので、それがなくてもOKなのではなくNGなのです。

以前、10年くらい前の話ですがある省庁PJの権利関係で契約上プログラムの一部分の権利が守られるかの見解を求められたことがあり、この時は日本版バイ・ドール条項(産業技術力強化法(平成12年法律第44号))の所定の書式を提出すれば大丈夫との見解を出しました。
それで権利関係については大丈夫だろうということになったのですが。
この前提が無視されて担当者がこの所定の書式を提出しなかったのです。理由はあります。現課に提出を打診したところ、「前例がない」とのことで提出ができなかったということなのです。契約で提出すればOKと書いてあるのに、提出された前例がないから提出できないということでした。お客様との関係がありますから無理なことはできません。
当時はお客様が開発ベンダーしか改造をしたり保守したりできないことに問題を感じていて、自分たちに権利を持ってきてどのベンダーにも保守や改造ができるようにする目的でこの法律を利用していたのです。
この産業技術力強化法(平成12年法律第44号)の趣旨は「政府資金による研究開発から生じた特許権等を民間企業等に帰属させることを骨子とした」ものであって民間企業に権利を残すことで産業の発展に寄与しようというものです。けして、所定の書式を出させないで、権利を政府側に持たせようというものではありません。
この時は怒りました。その後、他のお客様にプロダクト展開をしようとする時も権利が会社に残っていませんから、政府側と権利関係の交渉をいちいちする必要になってしまったのです。
当時はお客様との関係から営業判断で提出できないとしたのです、それはそれで仕方のないことかもしれません。
正しく解釈している部門などではこの日本版バイ・ドール条項があると自社に権利帰属するので再販可能と判断するとのことでした。
ちなみに今は99.9%以上の政府調達はこの条項が入っています。(つまり全部)

つい熱くなって話はそれましたが(怒りポイントなので・・・)
前提条件付きでのOKは前提条件が守られない限りNG(例外付NG)と理解をしてもらった方がいいかもしれませんね。わかるように話すことも必須です。
前提条件に見えるけれども努力目標である場合もあります。ディシジョン会議等では前提条件を努力目標と勘違いされないように努力目標と前提条件を分けて考えることが必要です。
管理職になりますと前記のような事例の他にも前提条件が破られる例は多いので注意が必要です。(人は自分の都合の良いように悪気なく事実を曲げて解釈する傾向にあります。)