(ク) リスク管理(2/2)

リスクファイナンス(転嫁)

プロジェクト管理手法の中でプロジェクトマネージメントリザーブを用意するように書かれているものが多くあると思います。このプロジェクトマネージメントリザーブは大部分がリスクが発現したときの対応費用あるいは、遂行時に発覚したリスクの「回避」「低減」費用として使われます。

リスクファイナンスとして、「回避」できなかったあるいは「許容」されたリスク等のリスク発現時に使うための費用としてプールします。これらはPJを遂行する上では必須の費用となりますから必ず原価に計上します。どの程度計上するかは、見積もりの「読み」になりますが一般的に10%以上は必要と思います。(私見)

リスクにかかる費用はこれだけでなく先ほどの「回避」「低減」をするにあたっても人が動きますから費用が掛かります。事前に予見できたリスクに対してこれらを行う場合は作業費にあらかじめ入れておく必要があります。これはリザーブではなく、行動することが決まっているのですから作業費です。この点をきちんと分けて考えるようにしましょう。リスク対策としてやると決めたことは必ずやります。

ここではあまり関係ありませんが。

コンペや入札でよくあるのですが、プロジェクトマネージメントリザーブを競合に価格で負けてしまうからと言ってない物とすることがあります。これはしてはいけません。経営判断で上限を決めずに赤字を出してよいと判断されれば別ですが、必ず原価計上します。そのうえで、競争に価格で負けることがわかっていて、金額を下げてまで入れる必要があるならば、それは戦略投資として経営判断されるべきなのです。

かかるべき原価を見えないように削るのは、経営判断を誤らせる虚偽報告になると考えます。