コラム:官公庁・公共系と民需では要件定義の立場上の考え方が逆

かならずしもあてはまるものではありませんが、官公庁と民間では要件定義の持っていきたい方向が逆になります。
何が逆かというと、要件定義において、ベンダー側のアプローチとして民需ではどんどん機能を入れるようにアプローチをします。しかし、官公庁では機能を減らしていく方向にドライブしなければなりません。
なぜかというと、調達方法の違いに原因があります。
私は民需系のシステム開発経験はないのですが民需では多く、先のコンサルや要件を確認する中でやることを決定していき、やることが明確になった段階で再度見積もりを提出し、協議していく形になります。この時、良い機能やほしい機能がたくさん盛り込まれていれば、要件を削るのではなく、予算を増やしてもらえるかもしれません。
官公庁系の場合、調達は入札になります。完璧に作った仕様書に基づき、それを実現するのにいくらでやってくれるかを入札します。要件定義でこの仕様書項目で具体的になにをどこまでやるのかを協議しますが、やることが増えても費用は増えません。入札で金額が決まっているからです。
官公庁側担当者は、これはこういう解釈だこういうものだと言いながらできる限りの要件を盛り込もうとします。ベンダー側は仕様書からはそのようなことは読み取れない、書いてないと主張して、やることを予算に収まるように極力少なくしようとします。なかなかにお互いに苦しい交渉です。官公庁側もわざとそうしているのではありません。仕様書では書ききれなかったり、その時には決まっていないことも多いのです。官公庁系の場合要件の齟齬で大赤字プロジェクトになることもしばしばです。お客様に合わせた仕様書の読み取り方など慣れていないと危険ですね。

経営者としては無駄な失敗をしないためにも官庁・公共の案件では慣れた人を当てることが重要です。







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政府の働きなど、間違えない政府の考え方を述べています。

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